どのように生きるか

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臨床精神薬理 2003年1月号
批判的にお読みください。

■展望

●治療抵抗性概念を軸としたclozapineの歴史的意義
内田裕之  渡邊衡一郎  八木剛平
 Clozapineは抗精神病薬の研究・開発史のいくつかの局面において大きな役割を果たしてきた薬物の1つである。その役割の中でも治療抵抗性に対する効果は広く知られ,それまで医師が症状改善の希望を失っていたような治療抵抗性分裂病に対して積極的な薬物治療を促した。また,clozapineは治療抵抗性分裂病に対するその効果が報告される前から,抗精神病薬の研究に多大な貢献している。ドパミンを中心とする単一薬理主義の修正,錐体外路症状が抗精神病効果の必要条件ではないことを周知させた役割,「非定型」抗精神病薬の概念の創出などである。しかし,clozapineの基礎的・臨床的研究はまだ十分ではなく,この薬剤をさらに研究することにより,治療抵抗性分裂病および抗精神病効果のメカニズムに関するヒントを得るであろう。治療抵抗性分裂病の臨床・研究に対して果たすclozapineの役割はまだ終わっていない。。
Key words : treatment―resistant schizophrenia, antipsychotics, clozapine

■特集 Clozapineの薬理

●Clozapineの薬理―主たる作用部位はどこか?
黒木俊秀  中原辰雄
 Clozapineの薬理の最大の特徴は,ドーパミン―D2受容体結合能が低いことで,まさにこの点において「非定型」的であるといえよう。PETを用いた研究では,定型抗精神病薬が脳内D2受容体を約70%程度占拠して抗精神病作用を発揮するのに対して,clozapineは50%以下しか占拠していない。最近,KapurとSeemanは,clozapineは投与直後はD2受容体を高率に占拠するが,その後同受容体より急速に解離するという仮説(fast dissociation hypothesis)を提唱し,clozapineをはじめとする非定型抗精神病薬のセロトニン―2A受容体結合能を重視するMeltzerらとの間で論争が起きている。従来のように受容体結合能によって作用機序を説明することには限界があるのかも知れない。現在,非定型抗精神病薬の薬理はclozapineを基準としているが,臨床的に同等の効能を発揮する薬物が見出されない以上,clozapineは他の非定型抗精神病薬とは異なる作用機序を有する可能性もある。
Key words : clozapine, dopamine―D2 receptor, serotonin2A receptor, fast dissociation hypothesis, atypical antipsychotic drugs

●Clozapineの臨床的有効性
村崎光邦
 統合失調症の治療の根幹は薬物療法にあり,早期発見,早期治療に徹すれば,外来のみでの治療が可能となり,入院してもごく短期間で退院しうる時代に来ている。それでも30%前後は十分に治療に反応しない症例がありうるし,現に発症後長い年月を経過した,いわゆる治療抵抗性の症例が多い。こうした現状の中で,clozapineは優れた作用を発揮しうる。治療抵抗性統合失調症患者の30〜40%はclozapineによく反応し,50%を越えることも期待され,かなりの割合の症例が社会に戻り,QOLの高い社会生活に従事することが可能となる。そのclozapineがわが国ではいまだ承認されていない。治療する側も受ける側も大きな不幸といえよう。
 Clozapineの優れた抗精神病作用に誰も異議を差しはさまないにしても,無顆粒球症という怖い有害事象がある。これを克服し効果と安全性を確保するためのモニタリングシステムを完備したうえで,clozapineが医療の現場でその威力を発揮することができるようになる日を祈っている。
Key words : clozapine, clinical effectiveness, treatment―resistant schizophrenia, suicidality, Parkinson disease

●Clozapineの副作用と薬物相互作用
澤村一司  染矢俊幸
 Clozapine(CLZ)の副作用として一般に最も知られているのは顆粒球減少症および無顆粒球症である。無顆粒球症の発現頻度は1%程度とまれではあるが,致死的な転帰をとることもありうる。しかし定期的な血液モニタリング,CLZ血中濃度測定によって,顆粒球減少症および無顆粒球症,けいれん発作などの副作用の危険性は減少させることが可能である。また近年CLZを含む非定型抗精神病薬において,体重増加,高脂血症,耐糖能異常などの内分泌・代謝異常が注目されている。これらについても今後,その発現機序が解明されて,より適切な適応と禁忌の設定がなされることを期待したい。一方CLZの薬物相互作用には,肝酵素Cytochrome P450 1A2が関与しているといわれているが,欧米でのCLZと種々の薬剤との併用でみられる副作用は,薬物代謝のみならず様々な要因に基づくものと思われる。
Key words : clozapine, Agranulocytosis, Blood monitoring, Plasma concentrations, CYP1A2

●薬物治療アルゴリズムにおけるclozapine
伊藤千裕  小島照正  佐藤光源
 臨床精神薬理学的な研究成果をもとにして,専門家の合意が得られるように作成された合理的薬物治療アルゴリズムが国際的あるいは地域的に様々発表される中,欧米の精神分裂病の薬物治療アルゴリズムでは,clozapineは難治性精神分裂病に効果があるが,無顆粒球症という重篤な副作用があるために,薬物治療の第2または第3選択として位置付けられている。しかしclozapineによる無顆粒球症という重篤な副作用は,血液モニタリングを行うことで出現率を限りなく少なくすることが可能であり,比較的安全とされている。また,clozapineは遅発性ジスキネジア,ジストニア,双極性障害にも効果があり,欧米の薬物治療アルゴリズムで紹介されている。このような欧米の薬物治療アルゴリズムにおけるclozapineの重要性を考慮すれば,本邦でも導入され,日本版アルゴリズムにclozapineが含まれるのを期待したい。
Key words : clozapine, psychopharmacological algorithm, American Psychiatric Association, second choice, refractory schizophrenia

●海外におけるclozapineの副作用モニタリングシステム
石郷岡純
 Clozapineは治療抵抗性分裂病に有効な唯一の抗精神病薬として,わが国でも使用可能となる日が待たれている。しかし,無顆粒球症という重大な副作用のため,他に例のない使用法が行われている薬物でもある。本薬を有用な治療薬とするには,使用していく上での社会システムの構築が決定的に重要であり,本稿ではすでに10年の経験がある欧米のシステムの紹介と,その効果について述べた。国や地域によっていくつかの違いはあるが,clozapineは適応が制限され,服用者,医療者ともに登録制がとられ,一定の血液モニタリングシステムと,その結果による行動基準('no blood no drug'policy)の採用が義務づけられていることは共通している。強力な血液モニタリングシステムの採用は,本薬による無顆粒球症に基づく致死率を大幅に低下させることに寄与している。血液系の副作用が発生したときの専門家への依頼システムの構築も,わが国に本薬を導入するときの大きな課題である。
Key words : clozapine, agranulocytosis, blood monitoring system, mortality, drug delivery

●将来の日本におけるclozapineの投与対象について
稲垣 中
 Clozapineは治療抵抗性統合失調症に対する有効性がいくつかの臨床試験によって証明された非定型抗精神病薬の嚆矢というべき薬物であるが,無顆粒球症のリスクがあるために,その使用は厳密に定義された治療抵抗性統合失調症のみに制限されている。日本では現在臨床導入はなされておらず,後期第2相試験が進行中である。本稿では8つの二重盲検比較試験と2つのオープン試験,また日本で行われた治療抵抗性統合失調症の実態調査の結果に基づいてclozapineの適応についての検討と投与対象患者の割合の推定を行った。現時点ではclozapineは2種類以上の抗精神病薬を十分量投与したにもかかわらず,十分な反応のみられなかった患者のみに投与すべきであり,即投与対象となる患者は9%,またもう1種類の抗精神病薬の試験的投与後に投与対象となりうる患者がさらに約30%存在するものと推定された。
Key words : schizophrenia, treatment―resistance, treatment―intolerance, clozapine, atypical antipsychotics

■原著論文

●構造化ハミルトンうつ病評価尺度(Structured Interview Guide for the Hamilton Depression Rating Scale:SIGH―D)の信頼性と妥当性の検討
成田智拓  金 直淑  中根允文  尾崎紀夫
 日本語版,構造化ハミルトンうつ病評価尺度(Structured Interview Guide for the Hamilton Depression Rating Scale:SIGH―D)の信頼性と妥当性について検討した。評価者間信頼性においてのAnalysis of Variance Intraclass Correlation Coefficient:ANOVA ICCは,多くの項目において0.6以上であり,総得点では0.94と高い値を示した。内的整合性はCronbachのα係数において0.84であった。また,BDIを用いた同時的妥当性はKendallのτbで0.57(p=0.04)と有意な相関を示した。これらの結果より,日本語版SIGH―Dは十分な信頼性と妥当性を持っていることが立証された。
Key words : HRSD, SIGH―D, reliability, validity, depression

●わが国における気分変調性障害の薬物療法の実際 ――「感情障害の薬物療法のガイドライン研究」に関するアンケート調査結果から――
遠藤太郎  塩入俊樹  阿部美紀  北村秀明  佐々木直哉  広瀬徹也  染矢俊幸
 慢性軽症のうつ状態を呈する気分変調性障害(DD)がDSM―靴粘蕎陝糞な)障害に分類されて以降,その薬物療法の有効性を示す報告が数多くなされるようになった。しかしながらDDの治療は,まだまだ精神療法的アプローチが優勢であるというのが実態である。今回我々は,大うつ病性障害(MDD)との比較を行い,DDの薬物治療の実態をアンケート調査した。その結果,わが国のDDに対する薬物療法は,第一選択薬はSSRIが多いものの,第二選択薬以降で従来型抗うつ薬を選択した群と,SSRIやSNRIを主剤として用いていく群に分かれていた。そして,DDよりMDDで,軽症より重症例で,従来型の抗うつ薬が選択される率が高かった。また,SSRI第一選択群とする者は,操作的診断基準使用率が有意に高いことも判明した。今後,DDに対する薬物療法が十分に普及し,より合理的な薬物治療アルゴリズムを開発するための実証的データの蓄積が望まれる。
Key words : Dysthymic Disorder, Major Depressive Disorder, pharmacotherapy, SSRI, conventional anti―depressants

■症例報告

●Quetiapineによって遅発性ジスキネジアが寛解したアルツハイマー型痴呆患者の1例
岸本泰士郎  上村秀樹
 症例は64歳女性のアルツハイマー型痴呆患者である。Moperone,tiaprideによる治療中に顔面,体幹に重度の遅発性ジスキネジアを生じ,服薬困難となり転倒することもあったため薬物調整目的に入院した。入院後,moperone,tiaprideを漸減・中止し,同時にquetiapine 50mgを投与開始した。約1週間でジスキネジアが著明に改善しはじめ,AIMS scoreは入院時の25pointから,2週間後には6pointとなった。現在,投与開始後約1年経過しているがAIMS scoreは4pointであり,ジスキネジアの再燃を認めていない。
Key words : tardive dyskinesia, quetiapine, D2 receptor, 5―HT receptor, dementia

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定期健康診断とは、労働安全衛生法により義務付けられている健康診断です。健康診断は、病気の早期発見、早期治療のほか、検査結果から身体の発する危険信号が察知されることで生活習慣の改善を促し、病気を予防するといった大切な役割を担っています。
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